◎塩分摂取量の理想と現実の把握と削減方法◎

高血圧の要因は多々ありますが、大きな要因の一つであり管理が難しい内容として、塩分の過剰摂取があります。

私はこの問題は、現代の食文化との戦いであるとも考えております。

塩分の過剰摂取の問題を解決するには、理想と現実を把握しそのギャップを埋める事です。

理想とは、どれだけ摂取してよいか。
現実とは、現在どれだけ摂取しているか。

理想は一日6gと決まっておりますが、現実は人それぞれの生活習慣や嗜好により異なりますので、自分自身で把握するしかありません。

1)推奨塩分摂取量の把握(理想の姿)
2)ご自身の現状把握(現実の姿)
3)塩分摂取量を減らすには(削減方法)

1)推奨塩分摂取量の把握(理想の姿)

厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」からは、塩分相当量の一日の摂取基準は成人男性で8g未満、成人女性で7g未満となっております。
高血圧学会では、さらに厳しい6gとされております。

塩分が6gの調味料とは、どれくらいの分量になるのでしょうか。

調味料 塩分が6グラムになる調味料の量 その他
6g 塩少々は約0.3g程度です
マヨネーズ 300g 大さじ一杯で塩分0.3g含有
加塩バター 430g 食パン一枚に塗るバターは約8g。
その中に塩分は約0.1g含有
しょうゆ 38g 大さじ一杯で塩分2.4g含有
胡麻ドレッシング 120g 大さじ一杯で塩分0.5g含有
味噌 120g 大さじ一杯で塩分0.9g含有

(メーカーなどにより異なります。)

一日の塩分摂取量を6gに抑えるには、一食当たり2gに抑えなければなりません。
一日8gであっても、一食当たり2.6gに抑える必要があります。

次に、食材や食事に含まれる塩分量を見てみます。

食材 含まれる塩分量 その他
食パン一枚 0.8g 6枚切り
ウインナーソーセージ
一本
0.3g
たくあん一切れ 0.3g
塩漬け梅干し一個 2g 漬け方によって
1.5~5gと差が出る
たらこ一腹 3.6g 一腹80gサイズ
牛丼 3.5g 外食
ビーフカレー 3.7g 外食
天ぷらそば 3.8g 外食
チャーハン 4.8g 外食

(調理法により異なる為、目安としてください。)

大して塩辛いと感じない牛丼や天ぷらそばでさえ塩分含有量は3gを越えています。

2)ご自身の現状把握(現実の姿)

上の一例から見ても、普通に生活しているのであれば、まず間違いなく6g以上摂取しています。
8gにも収まっていないでしょう。
(日本人の平均塩分摂取量は一日当り11~12gと言われています。)

外食が多い方は、まず外食を控えるようにしましょう。
外食で摂取してしまう塩分量は、おおよその量しかわかりません。
6gと細かく摂取目標を掲げている以上、おおよその分量では管理できません。

更に、次のページで説明しますが、外食では栄養が偏りますので、血圧を下げる効果のあるカリウムなどの摂取量も少なくなります。

自炊の場合は、自分で使用する塩分量を把握する事が出来ますので、毎食計算し記録して現状を把握します。

自炊での塩分把握方法ですが、調味料でもお菓子でも、必ず栄養成分の表示があります。
(コンビニ弁当や総菜などの加工食品は、店によって表示があったり無かったりです。)
その栄養成分表示の中に「塩分相当量」もしくは「ナトリウム」の表記があります。

*ナトリウム表記しかない場合は、塩分量に計算します。
 塩分量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000

ここから、使用している塩分量を把握しましょう。

少しだけ手間が掛かりますが、塩分量の把握は必須項目です。

3)塩分摂取量を減らすには

なぜ過剰に摂取してしまうのでしょうか?

・塩分の摂取上限が何gか把握していない。
・食材・食事に塩分が何g含まれているか把握していない。
・塩分摂取量を抑える意識が無い。

この3点に限ります。

正しく、理想と現実のギャップが把握できていない事と、意識の問題です。

食パンにバターを塗っただけで0.9gの塩分です。
一食2gに抑えるのであれば、目玉焼きに恐らく0.5gの塩を振り、野菜サラダにドレッシング(塩分量0.3gくらい?)で留めておかなければなりません。

目玉焼きに醤油なんてかけたらいけませんよ!

「おやつにポテトチップスのうす塩味でも食べたいなあ。」

でも食べる前に、栄養成分の表示を見てください。
(商品のホームページでも栄養成分表を見る事が可能です。)

うす塩味でさえ、塩分が0.9gも含まれています。

この様に、自分が口にするもの全てで塩分がどれだけ含まれているかを計算してください。

これが、高血圧に打ち勝つ第一歩となります。

高血圧に対処する為の自分自身の「変化」は、ここから始まります。

*季節や環境で発汗の多い場合は、熱中症予防の為に塩分を多めに摂取する事も必要となります。

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